シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

エコプロ2017 セルロースナノファイバー編

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは!
日本のモノづくり、人づくり、事づくりライター
西 奈緒美が勝手に総力取材!
気になるオモシロ技術やサービスを記事にさせていただいております!!

本日は「エコプロ2017 セルロースナノファイバー編」ついて

セルロースナノファイバー(CNF)もここまできた!

大手製紙会社含め、今年のエコプロ2017はセルロースナノファイバーの専属ブースも
あって、かなり押し素材としてアピールされていたように感じます。
セルロースナノファイバー(CNF)は環境省も含めて力をいれている素材で
森林の有効利用、利用側はカーボンニュートラルという環境配慮素材として使える
ということで、以前から注目されていた素材でした。
昔は透明にするのが、なかなか難しいかったのですが、いまでは透明色も可能となり
さまざまな用途への利用へのアプローチをされてます。
また強度はナイロンとの比較をされた展示がありましたが、寧ろナイロンよりも
強くて頑丈で、見た目も悪くないですし、ガラス繊維入りよりは
「軽いのかかなぁ~」とおもいましたが、単純にナイロンだけだと「ちょっと重いかな~」と
いうぐらいで、大きな差はないように感じました。

CNFの可能性は広すぎるが逆に大きな壁か?!

大手製紙会社ブースではセルロースナノファイバーの液体状のものを触らせてもらえたり
各種のプロトタイプの製品なども展示されていました。
日本の国土は戦後の森林計画で国土の7割が森林といわれています。
その豊富な木材の有効利用ですが現在、有効利用率約30%ぐらいと低い状況。
高い建材として売れる木材はごくわずか、後は製材やチップにしての利用
そのチップもバイオマスエネルギーの利用など幅は徐々に広がってきていますが
木材切り出しの費用や森林整備のマンパワーの問題が何年も横たわっています。
地元の森林組合の高年齢化、担い手の問題など日本を象徴する問題が凝縮されている中で
さまざまな分野に、この木材を活かすことができる素材を紙だけではなく、
その他の分野でも使える、しかも強度もあって、プラスチックの分野で
自動車などにも使える可能性も模索されていることから森林の新たな有効活用として
大きく期待されているわけです。
私の印象としては既存の素材のマーケットをそのまま狙いにいっていることもあるので
レッドオーシャンであると思っています。すでにある炭素繊維も開発スタートから
50年ぐらいで、やっと実用、実績という流れをつかんでいます。
とくに人を運ぶ飛行機、車は実績素材という壁が高く、新しい素材を使うのは
メーカーの思惑が働かないと難しいということもあり、カーボンニュートラルという
言葉のメリットが、どこまで受け入れられて、他のカーボンニュートラル素材と
どのような違いを出すのかが「難しいなぁ~」と感じています。
使う部品ですみ分けをするのもあると思うのですが・・・。
何かこの素材だからできる、この素材だからできたという
フラッグ的なアイテムで、他の素材など使われてないような分野で話題になり
その話題が広がって徐々に既存の素材からCNFの素材へとなるのが
いいのかなぁぁ~とも自分なりに思ったりしました。
ただ、本当にどのような分野でも使えるという「なんでもできる」
インパクトして特徴がイマイチつかみにくいということもあって
言い方はネガティブかもしれませんが「器用貧乏」なイメージが私にはあります。
そしてまた炭素繊維と同じように、廃棄の着地点がまだボヤっ!としてます。
単純に炭素繊維 VS CNF とするのは乱暴ですが、今あるマーケットを
狙うことは既存の企業や利害関係者の大人の思惑っていう見えない壁がある!

この素材も開発費用はかなり掛かっているとおもいますので
早く、ブレイクスルーする方向性ができるといいなぁ~と思って
これからも注視して情報をアップデートしていきたいです。

おわり