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3D printing 2018の展示会レポート 第2弾

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こんにちは!
日本のモノづくり、人づくり、事づくりライター
西 奈緒美が勝手に総力取材!
気になるオモシロ技術やサービスを記事にさせていただいております!!

本日は先週2月14日から東京ビックサイトで開催されてました
「3D printing 2018の展示会レポート 第2弾」です。

毎年開催されますnano tech 2018の中での合同開催みたいな形で
3D printeng 2018も開催されてました。
他にも10個のセクションに分かれていろいろな展示会が一挙にみれるので
業界とは直接関係のない方も1回の受付ですべて見れるのでお得感がありましたね!
また出展者側も新たな業界の方へのアプローチのチャンスでもあると思います。
ただ・・・数年前にはnano techだけの単独開催で盛大なイメージがあった
展示会なのですが、徐々に縮小という感じが否めないところは感じました。

硬いの逆目 ”やわらかいは、しなやかな強さでやさしい”
ゲル3Dプリンター 山形大学 SWEL

3Dプリンターは価格、素材バリエーション、スキャナー精度や仕様、また最近はカラーと
特長が広がってきています。そして素材感でいうと、硬い、強いなどの素材が注目される
傾向があり、現に金属類などの3Dプリンターが出たときには大きなインパクトがありました。
しかし、硬いの反対の ”やわらかい” 素材での造形となるとイマイチ特長が中途半端な
イメージがあり、硬くなれなかった・・・というどこか硬いが基準の中で、魅力や用途への
アプローチが弱かったように感じます。
でも伸縮する、弾力を必要とする用途については人の周りにかなりたくさんあるものです。
むしろ人の体自身が弾力があるもので構成されているといってもいいですね。
皮膚や筋肉、血管、各種臓器、腱、常に動きがあるものは ”やわらかい” ものが多い。
そして最近は食品ニーズもフワフワ!やわらかい!といった弾力がソフトなものへの
価値がニーズになり大人気です。(お肉、お菓子類、卵料理などなど)
大人気の〇〇タオルや、食品でいうとグミが大人気!
体に触れる、体に取り入れるものは ”やわらかい” というテクスチャーは
今や外せないキーワードです。また柔軟性がある素材は工業用品でいうところの
動きのある部分には柔軟性が求められるパーツは多く、これからはロボットの
分野で”しなやかな動き” は求められてくる。 やわらかいは、しなやかさな強さをもち
身近なモノでは、どこか人に対して癒しとやさしさが求められる素材なのかもしれません。
その”やわらかい” をゲルという素材を使って、素材から造形の3Dプリンターを
研究されている山形大学のブースにお邪魔しましてゲル素材を触らせてもらいました。
私自身、ゲルという単語は化粧品関連などで、よく耳にしていたこともあったのですが、
ゲル素材だけで出来たものを触るのは初めての体験でした。

プールから生まれる「水」から作られるゲル素材

ゲル素材は主成分「水」です。
その「水を積層するってどうするんだろう?!」と思いますよね。
これは実際に山形大学のブースにてビデオをみせてもらいましたが
今までの3Dプリンターの感じとは全く違うものです。
簡単にいうと「水入りのケースにレーザー照射で硬化させてつくる!」
水入りのケースは ”プール” と呼ばれていて、そのプールから造形物が
ニョキ!と出てきます。ビデオでは指の形をした造形物がでてくるのですが
その造形物の出来上がりの瞬間をみて
「えぇぇ!!これ足だったら犬〇家の一族みたーい!」と一人で爆笑!
もう犬〇家の一族を知らないであろう年代の山形大学の佐々木さんに
色々と丁寧に説明をしていただきました。
ですので・・・この造形のすごいところは「サポート材いらんやーん」ということで
出来上がりの表面などがとてもきれいです。指はシワなども繊細に表現されてます。

やわらかいを極める

このゲル素材でのプリンターは実は山形大学が世界に先駆けて研究されておられる分野でして
展示会にも多くの来場者がブースに見学にこられてました。
またゲル素材のプリンターが世界に市販のものなどないので自分たちでプリンターも開発
そして素材開発と並行して研究されてます。(山形大学 古川研究室 ソフト&ウエットマター工学研究室)
医療、メディカル機器関係や、化粧品、オーラルケア関係、また食品関係などの分野の
方々にはとても注目されているようです。
当日は古川先生とはお会いできなかったのですが、昨年、プラスチックみらい研究会の
「いい樹脂の日2017」にてご協力とご参加いただき、その際にはゲル素材の展示ではなかったのですが、ゲルを使った見た目にも美しい食品造形の展示ポスターに来場者の皆さんの
食いつきがすごくて、かなり好評だったんです。
皆さん、5感に訴えかけるもの特に食べ物への感度がいいですね~。(笑)
当日は昨年のイベントでお世話になった、玉手さんにも久しぶりにお会いできて
3人で写真をパシャリ!

ゲル素材に興味のある方は山形大学の古川研究室に是非お問合せいただくか、
私に「柔らかい素材のプリンターの件」とか言ってもらえたら、ご紹介させていただきます。

山形大学 古川研究室 ソフト&ウエットマター工学研究室 左から 玉手さん、私(西)、右、佐々木さん

おわり