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いい樹脂の日2017 モノを売らない展示会

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こんにちは!
日本のモノづくり、人づくり、事づくりライター
西 奈緒美が勝手に総力取材!
気になるオモシロ技術やサービスを記事にさせていただいております!!

本日は「いい樹脂の日 2017」についてです。

いい樹脂ってなんだ?!

11月9日~11日東京スクエアガーデン6階、中央区立環境情報センター内にて
第4回目になります「いい樹脂の日 2017」が開催されました。
そのイベントの全プロデュースとデレクションをさせていただきました。
いい樹脂の日ってなに?!ってよくきかれるのですが。
まずはいい樹脂の日を11月にする理由として・・・
11月14日をイイジュシとしてゴロのいい日に樹脂(プラスチック)についての
消費者向けイベントをしたかった!!という思いから2014年から始めました。
そして何より、プラスチックの総論を消費者向けに楽しく、正しく情報発信をして
身近だけど「よくわからない」プラスチックについてポジティブな部分も含め、
素材ごとに不向きや苦手なネガティブな部分や問題も含めて
「あなたにとってのいい樹脂」という価値を構築してもらいたいという思いから、
誰にでも分かりやすい、そして楽しく、遊びながら楽しんでもらえるコンテンツを
異業種や学生の皆さんと一緒になって展示したりワークショップをしたり、
映画を製作・上映をしたりと「業界唯一の消費者向けプラスチックイベント」
として年に1回開催してます。

いい樹脂の日 2017会場入り口

モノを売らないイベント

一般的に開催されてる展示会とちがって、いい樹脂の日はモノを売りません。
プラスチック素材を使って、楽しいことを表現し、それを底支えしているプラスチックの
可能性や面白さに気付いてもらうことを重きにおいています。
通常の展示会などでは各社の販売促進がメインになるので素材を説明するのに、
自社の製品とセットにPRされることが多いのですが、そこが良くも悪くも誤解や
ミスリードの原因にもなっています。その理由は・・・
PRされてる商品がたまたま、1該当素材できているだけでプラスチック全体としては
一部であって、全体としては正しくないということが多くあるからです。
しかし多くの一般の方々は、プラスチックの総論を情報として知るきっかけがなくて
一般の方々の多くは、プラスチックの知識として硬い物はプラスチック
やわらかい物はビニールという
認識がまだまだ多く、実はビニール(PVC)という
表記には、実は硬い物もあり、またビニールの中にはポリ袋もあり
また硬いポリもある!!総論がわかっていれば、当然の知識や当り前のことも
現状はまだまだ誤解、間違いも多いことから、その認識が引き金となって
余計な風評被害の原因にもなりかねない!
しかしながら・・・それを教えてくれる場所、消費者が能動的に正しい情報をフラットに
教えてもらえる場所や、きっかけがないことから、現状は事件があったときのニュースや
特集、また環境団体などの一部分だけを切り取った素材への情報が伝わる形でしか
知ることができない!消費者の方々が情報をキャッチするのは大変な状態です。
プラスチックの総論を情報として企業が発信するのは、ほぼ不可能でして
(ビジネスだと特化してる素材が各社違うこともあり、また他社の製品や素材についての
比較をすることにもなる)プラスチックみらい研究会という、どこのしがらみにも
リンクしてないプラスチック大好きな人たちの有志の集まりと、その趣旨にご賛同いただいた
企業や団体様や大学の方々に参加していただいている奇跡のようなイベントです。

いい樹脂の日2017展示・イベント参加していただいた方々

奇跡のイベント

奇跡って大袈裟だとおもわれるかもしれませんが・・・
今年は本番のイベントまでにプレイベントと称してミニ映画上映会を7回も開催し
周知活動もがんばりました。通常、イベントをするのは専門のイベント屋さんもいる
くらいですからマンパワーやお金もかかります。プラスチックみらい研究会は
プレイイベントも含めて、運営費0、ギャランティー0、人件費0、工夫して広告や施設利用料など
最低限の実費はご協賛金いただいている企業や団体、個人様からのお金で開催に
こぎつけることができたイベントです。イベントは過去4回も開催することができました。
これは奇跡といってもいいと思います。
またオモシロイ!コンテンツを考えて異業種を巻き込み、学生さんにも参加をしていただく
ようなイベントをするのはお金と時間があってもできることではありません。
これは4回やってきてハッキリといえることです。
「面白い事」「みんなの為になること」「お金で買えないものをGET」できるイベント。
これを達成するには、シンプルですが、お金とか人とかの問題も大事ですが
一番大事なのは「何もなくてもやりきる」という覚悟は必要でした。
イベントの主旨を丁寧にご説明をし「消費者向けに楽しいプラスチックのイベントをする」
その過程で助けていただける方や、協力者の方と出会うことができました。
これが「出来たらやるわ」「お金集まったら・・・」ぐらいの気持ちなら
誰も賛同なんてしてもらえなかったと思います。
またその過程でも勉強になったこともありましたし悔しい思いもしました。
私自身も多くの経験値を体験することができました。
また当イベントはプラスチックというキーワードだからできる
楽しさだったり、気づきだったり、つながりだったり、経験だったり
さまざまな方がた集えて、みんなが何かを持ち帰ってもらえるイベントにしたい!
PRイベントのように、ただパネルを並べて商品を置いてキャンペーンガールさんの
セールストークを聞くのではなく、いい樹脂の日イベントでは来場者の方々との交流も
大事にしたかったので(消費者や異業種の方の疑問や質問が聞ける場ってそうそうないです)
今回はできるだけブースには説明をしてもらう人にいてもらい来場者の方々に
いろんな話をしてもらうことを大事にしました。皆さんのご協力もあり
「楽しくて、丁寧に教えてもらえる、ゆっくりできるイベント」ということで、
今回は来場者の会場平均滞留時間がお1人平均1時間ぐらいということで
かなりいろんなブースで説明・交流をしてもらえました。
出展者側もまったりと来場者の方々との交流ができて、一方通行にならない交流!
年齢の縦軸も立場の横軸も、一緒になってプラスチックを楽しめるイベント。
プラスチックを題材にするといろんなことができるんだと年々確信してます。

VRとミニ映画、不要パソコン&スマホにてご協力いただいた自立支援センターむくさん

展示参加いただきました山形大学大学院理工学研究科 学生の皆さんのインタビュー

最終日はワークショップで盛り上がる!!

また最終日は金曜日の新聞折り込みの効果もあってか
不要なパソコン&スマホを会場に持ち込んでいただける方も多くて
またお子さんなどの家族連れも多くご来場いただきました。
展示会場も最終日は人力射出成形機を持ち込んでいただた有限会社ロッキー化成様。
ペーパークリップを人力射出成形でつくるワークショップは大人も子供の大人気!
そしてそのクリップの素材の一部を、弊社有限会社GREEN PLUSの再生プラスチック材
平板材の材料をつかっていただきました。

VRプラスチック工場見学 協力:有限会社ロッキー化成様 撮影:自立支援センターむく様

ワークショップで作られたペーパークリップ

再生材でもつくれた!!使用された再生プラスチック材料

もしもプラスチックがなくなったら・・・

もしもプラスチックがなくなったら・・・というテーマで開催された今年の
いい樹脂の日2017。プラスチックがあるのが当たり前すぎて、何がプラスチックで
できているのかも分からないくらい、ありとあらゆるものにプラスチックが使われています。
当り前にある豊かさと反対に影の部分、環境への問題視も出てきている事実もあります。
その事実踏まえて、「ではどうやって使っていけばいいのか」「どう使うべきか」を
みんなで考えるのもいい樹脂の日のイベントでもあります。
正しい答えなんて用意されていません。これだけ多種多様な生き方、生活スタイル
また土地の違いなどもあり、人により最適が違うのです。すべての人に満足を
与えることはできないにしても、ベターな選択と程よい「いい」というラインを
みんなで共有できることができれば、使い方を誤ることはないと思うのです。
アンチテーゼ的なテーマをあえて掲げて、プラスチックがないとしたら、
何を使うことが一番ベストなんだ!やっぱりプラスチックが必要だ、
いや、新素材のほうがいい!となるのか・・・
いろんな考えがあっていいと思っています。いえっ、考えてみてください。
肝心なところは「日頃つかっているものに無関心から生まれる無知な未来の選択」
するのではなく、少しでも関心をもって自身にとって、いい樹脂という価値観を
育てていってもらいたいと思っています。それは出展者の方々も一般の方々や
異業種の方々の反応という新鮮なリアクションに反応して、またそれを
いいきっかけにしてもらいたいと思っています。

学生さんと来場者との交流

ミニ映画の裏話や制作秘話を説明してくれた 自立支援センターむくの木村理事長

展示入り口で来場者や展示メンバーを和ませてくれたペッパー

ミニ映画は今年も好評でした!

縦軸も横軸もないモノづくりのプラットフォームの場

このいい樹脂の日の目標は、モノづくりのプラットフォームの場です。
それは業界人だけでなく、学生や異業種の情報や知識の発信の場であり
それを消費者の方々の声を聞ける場の中で、さまざまな意見が飛び交う場を
できれば若い方々が中心となってやっていってもらいたいと思っています。
大人はそれをサポートする側に回る!!子供にも分かるような情報発信を心がけて
楽しく表現、情報発信をプラスチックを使って、将来はプラスチックという枠に留まるまらず
高分子という大きなカテゴリーの中で(バイオプラスチックや新素材など含めて)
素材で人々の豊かさを形にして、このイベントをきっかけに日本のモノづくりを
楽しく促進していければいいなぁぁ~と想像しています。
いい樹脂の日2017を終えて、反省点もありますが多くの方々にご協力や助けをいただき
本当に感謝しております。そしてプラスチックでまだまだ楽しいことができると確信した
私は、夢は大きく、世界とのコラボも考えていきたいと思っています!

おわり

いい樹脂の日2017 最終日に参加していただいた方々

おわり